つづき

   

こんにちは

10月になりました。早いですね~日も大分短くなって、一日が終わるのがとても早い気がします。

前回の記事の続きになります。

半年前でしょうか、仙台はまだ寒かった頃、ennオーナーのD様からネットショップを通しまして、オーダーメイド転写紙へのご質問を頂きました。

『ショップでのオリジナル商品を考えております。最小ロットを教えて下さい。』という内容のご質問だったと思います。

スクリーン製法で作る転写紙は、色ごとに版を作る必要があり、その版にとても費用がかかるようです。
その為、沢山印刷をしないと1枚当たりの単価が高くなってしまいますので、
最小ロットという物が存在いたします。

当サロンのオーダーメイド転写紙は、デジタル製法ですので、版を作る必要がございませんので、一枚からお作りいたしますよ。とお返事をさせて頂きました。

併せて、デジタル製法でのメリット、デメリットもお伝え致しました。
メリットとして、版を作る必要が無いので、沢山の色を使ってもお値段が変わらない。
一枚からオーダメイド可能。データーが仕上がっていれば、納期も早い
デメリットとして、色ずれはある。特に赤の色が出にくい。沢山枚数を印刷しても単価は安くならない、プログラミング可能な電気炉での焼成が必要など。。。

 

これから、オーダーメイド転写紙で作品作りをされる皆様にも参考になると思いますので、お伝えしますね。

お話を伺うと、今回のデザインは赤が基調になっているという事でした^^;
先ほども書いたように、赤は出にくいんです。

今回は赤のお色について少し書きますね。
商品開発のお話からは、脱線気味ですが、良ければお読みくださいね。

赤のデータを補正無しで転写紙に印刷をすると、茶色のような色に印刷されます。それを焼成すると若干明るく発色するのですが、「( ´゚д゚`)エーこんな色。。。」となってしまうんですね。
私も転写紙を作り始めの頃は、何度もがっかり。。。ありましたよ^^;

小鉢はオーダーメイド転写紙を作り始めて初期の作品です。重なっている上の方の小鉢のツバキ、焼きあがった時のショック。。。
赤じゃなくて小豆色、茶色。素材集から作った柄なのだけど、赤っぽい絵柄だったのに
全然違う( ノД`)シクシク…

デジタル製法はシアン マゼンタ イエロー ブラック(CMYK)の4色を混合して印刷いたします。でも磁器に焼き付けるための特殊な顔料ですので、CMYKで混色をしても、通常のインクジェットやレーザープリンタのように綺麗な発色にならない色もあるんですね。

ポーセラーツで使用する絵の具をお使い頂いた方はご存知だと思うんですが、混色すると焼成後に変色するお色ありますよね。成分的に混色すると変色したり、色が飛んだりするようです。
特に赤のお色、鉄系の赤、セレンレッドは成分的に混色するとお色が変色します。焼成温度も違いますしね。。
それをご理解いただければ、CMYKで全てのお色を表現するのが如何に難しいか、分かって頂けるかなと思います。

普通の水彩絵の具みたいに、混色して綺麗なお色を簡単に作り出せれば、有難いのだけど、
磁器に焼き付ける顔料は、そうもいかないのが、悲しいです。
でも、まずは食器に使うものですから安全でなければいけません。
安全を考慮すると発色に少し不満の出るお色になってしまうこともあるようです。

このお写真も、初期の作品なのですが、赤のバラに見えますよね。これも全く色調整なしで作ったのですが、赤っぽい。この位赤っぽかったら私的にはOKなので、このバラの元データのCMYKの数値を基本に、データを作ったら、重なっている下の小鉢は赤っぽくなりました。

 

 

このデータ、赤と言うより、濃いピンクなのです。

赤をピンク寄りにデータを作ると、大分明るく赤っぽく表現できることも分かったので、それからは濃いピンク、ショッキングピンクにデータを作るようにしています。
CMYKの微妙な違いで少しづつお色が変化します。

今ではデータの色味で何となく分かるようになっています。

商品開発のお話に戻りますが。

 

絵柄の小花柄、赤にこだわりがあったので、私からennのD様に少しご提案させて頂きました。

小花の色を少しずつ色調を変えて転写紙を作り、焼成しイメージのお色を探してはどうですか?と

このお写真はハートですが、D様自ら描かれた小花や葉っぱのお色を少しずつ色調を変えて、転写紙を作り焼成しました。

すごいのは、これを何回か繰り返したのです。それでご自分のイメージに近い赤をお決めになりました。


他にも、こだわってあることをご依頼いただいたのですが、長くなったのでまた次回書きますね。

 

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